散漫な心を癒す、ムーン・ビームス / ビル・エヴァンス・トリオを聴きながら。

まずジャケットがコッコよい!このジェケの女性は、Nico(ニコ)というファッション誌のモデルで、女優、歌手です。『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』のニコです。写真のアングルもありますが、雰囲気十分です。

交通事故で他界したラファロの代わりに指名されたチャック・イスラエルを迎えた初めてかつ最後ののアルバム。バラードを中心とした構成で、息のあっていたラファロ(ベース)の死による傷心が癒えないエヴァンス、1962年録音の『ムーンビームス』。

ムーン・ビームス / ビル・エヴァンス・トリオ

バラードが中心だから、聴きながら、何かをする・ながら族にとっては、好きなアルバムです。タイトルに使われている「Polka Dots and Moonbeams」の演奏は特にいい。

ジャズのスタンダード曲だが、詩を見ると

Moon Beams「Polka Dots and Moonbeams」の詩・和訳

ダンスパーティーが庭でひらかれていたんだ。
誰かがドシンとぶつかって、「あら、ごめんなさい」って言う声が聞こえた。
目に飛び込んで来たものは水玉模様と月の光。
鼻がツンと上をむいたその娘に僕の目は眩んでしまって、もうたちまち夢中さ。

音楽が始まって、僕はためらっていた。
でも、はずむ息を抑えて、思い切って言ったんだ。「一曲踊ってくださいませんか?」って。
そしたらおどろいたことに、その娘は僕の腕の中に入ってきて、
その時、水玉模様と月の光とツンと上をむいた鼻が、
僕のおどおどした腕の中でパチパチッとスパークしたんだ。

僕達が踊りながら漂っていると、他の連中は、「おいおい、どうなるんだ」って目で僕らを見ていた。
うん、たしかに彼等の目はそう言っていた。でも、僕にはもう答えがわかっていたんだ。
そして多分、答え以上のものが。

つまり、今、僕はライラックの花と笑いに満ちた家にいて、
「Ever After」っていう言葉の意味を知っているってことさ。
そして、これから「ツンと上を向いた鼻」にキスするたびに、
あの「水玉模様と月の光」のことを、きっといつも思い出すんだろうなぁ。

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