Jazzについて語れるほど聞き込んでいないが、マイルス・デイヴィスの名盤のカインド・オブ・ブルーを紹介した後に、この『TUTU』を紹介することに少しばかりの抵抗を感じるが、このアルバムTUTUも名盤である。カインド・オブ・ブルーから、実に27年たっており、スタジオ録音のTUTUを発表したのは、マイルスが60歳の時。この時代の60歳といえば、生き方や才能の持ち具合でも異なるのであろうが、かなりのおじいさんです。時代がうつりかわり、新たな才能が発掘される中、その中でも時代に合わせながら活動を続けていた晩期の一枚。このアルバムは、トミー・リピューマとマーカス・ミラーがプロデュースをし、マイルスが、いちトランぺッターとして参加しているというもの。他の参加ミュージシャンも半端ではない。
もともとプリンスがプロデュースする予定だったという話もあり、聴く前にでてくる逸話でお腹いっぱいになるほどである。
マイルス・デイヴィス
マイルスは「ジャズの帝王」、「モダン・ジャズの帝王」とも呼ばれ1991年9月28日(満65歳没)まで、ジャズ界を牽引しながら、時代と共に移り変わる音楽シーンをジャズに積極的に融合させた。きっと、長い時代君臨していたからこそ、その時代で表現する内容も変化し、進化するでしょうね。
TUTU
1986年に発表の『TUTU』は、当時のジャズ評論家たちからは酷評されたようだが、フュージョンが流行っていた時に、このサウンドは、見事ですよね。この『TUTU』は、1987年のグラミー賞・最優秀ジャズ・インストゥメンタル・パフォーマンス・ソロ部門を受賞してます。
収録曲
- Tutu
- Tomaas(Davis, Marcus Miller)
- Portia
- Splatch
- Backyard Ritual(George Duke)
- Perfect Way(David Gamson, Green Gartside)
- Don’t Lose Your Mind
- Full Nelson
元々の計画ではシンガーソングライターのプリンスが共同プロデュースを行う予定だったが、最終的にはベーシストのマーカス・ミラーがプロデュースを務めた。ミラーは「Tomaas」(デイヴィスとの共作)、「Backyard Ritual」(キーボード奏者のジョージ・デューク作)、「Perfect Way」(ポップグループのスクリッティ・ポリッティ作)を除くすべての曲の作曲・編曲を行った。音楽はシンセサイザーやシーケンサー、ドラムマシンを重用する1980年代中頃のR&Bやファンクの影響をかなり受けている。
アルバムのタイトルは、南部アフリカ聖公会黒人初のケープタウン大主教となったデズモンド・ムピロ・ツツを称えてのものである。楽曲「Full Nelson」は、南アフリカの活動家ネルソン・マンデラについてのものである。
アルバム・ジャケットは、石岡瑛子がデザインし、アーヴィング・ペンが撮った。石岡は、この作品で1987年のグラミー賞最優秀アルバム・パッケージを受賞した。
しかし、再発にはプライスも含めて感謝。ライナーノーツも2013年7月付けにて記載されており内容も充実感あり。